- NXPがBluetooth 6.0対応「KW47」MCUを自動車向けに発表
- Bluetoothチャネルサウンディングで高精度距離測定が可能に
- ドライバーの接近を検知し、自動で車両操作を最適化
- セキュリティ機能やAI測位エンジンを内蔵しリアルタイム応答
- 産業IoT向け「MCX W72」も同機能を搭載、用途拡大へ
Bluetooth®チャネルサウンディングで車両アクセスの進化と新たな産業応用へ道を拓く
NXPセミコンダクターズは、自動車向けにBluetooth®チャネルサウンディング機能を搭載した初の無線MCU「KW47」を発表しました。この新しいMCUは、Bluetooth Core 6.0の正式仕様に準拠し、ドライバーとの距離を高精度に測定可能。車両アクセスの利便性とセキュリティを飛躍的に向上させるとともに、スマートインフラやIoTにも応用される見込みです。
従来のBluetooth測距がRSSI(受信信号強度指標)に頼っていたのに対し、KW47は位相ベースの測距(PBR)とラウンドトリップタイム(RTT)を組み合わせることで、より高精度かつセキュアな距離推定を実現。運転者が100メートル先から近づいてくる様子を検知し、20~50cmの精度で距離を測定可能。車のロック解除やパーソナライズ機能を“ちょうどよいタイミング”で自動実行します。
KW47は、自動車規格「AEC-Q100 Grade 2」や「AUTOSAR」、CAN通信にも対応し、自動運転・デジタルキー分野への本格対応が可能。さらに、同シリーズの「MCX W72」は産業IoTやスマートホーム向けに展開され、精密測位とセキュアアクセス機能を提供します。
両製品には専用の測位演算エンジン(LCE)とEdgeLock®セキュリティエンクレーブを搭載し、電力効率とリアルタイム応答性を両立。最大24接続をサポートするソフトウェア定義無線で、高性能なマルチプロトコル通信も可能です。
すでにエコシステムパートナー向けに開発ボードの提供が開始されており、量産は2025年末を予定。Bluetooth 6.0世代に向けた次世代車載通信の実現に向け、NXPは業界のスタンダードを再定義しようとしています。