- ボルボ・カーズが3,000人の人員削減を発表、主にスウェーデンのオフィス職が対象
- 1,890億円規模のコスト削減策の一環で、コンサルタント契約1,000件も終了予定
- EV需要の鈍化と米EU間の関税リスクが背景に
- 業績見通し(2025・2026年)を撤回、戦略の見直しへ
- 長期的にはEV専業ブランドへの転換を継続方針
スウェーデン国内のオフィス職15%が対象、1,890億円規模の改革プランの一環として実施
スウェーデンに本社を置く自動車メーカー、ボルボ・カーズは5月26日、大規模なコスト削減計画の一環として、世界で約3,000人の人員削減を行うと発表した。対象は主にスウェーデン国内のオフィス勤務者で、同国のオフィス職全体の約15%にあたる。
今回の発表は、同社が先月公表した1,800億スウェーデンクローナ(約1,890億円)規模の「コストおよびキャッシュ改善アクションプラン」の一環。併せて、1,000人の外部コンサルタント契約の終了も予定されている。
CEOのホーカン・サミュエルソン氏は、「自動車業界は現在、極めて厳しい局面に直面しており、収益性とキャッシュフローの改善は喫緊の課題」と述べ、「構造的なコスト削減と同時に、今後に向けた人材育成には引き続き注力していく」と語った。
同社は4月29日、世界的なEV需要の減速や米国とEU間の貿易関税リスクへの対応として、2025年・2026年の業績ガイダンスを撤回。特に米国のトランプ大統領によるEU製品への最大50%の関税提案が、欧州自動車業界に大きな不透明感をもたらしている。
それでもボルボは、「電動化戦略」そのものの方向性は変えず、今後もEV専業ブランドへの転換を目指す姿勢を堅持。ただし、昨年9月には短期的な「EV専売目標」の見直しも表明しており、市場環境に応じた柔軟な戦略が求められる状況にある。