車両データをクラウドに送信し、道路補修の必要性をリアルタイムに判定
米ゼネラル・モーターズ(GM)は、道路の劣化を予測する新しい車載技術について米国特許商標庁(USPTO)に特許を出願しました(US 2025/0200526 A1)。このシステムは、車両に搭載された各種センサーやカメラからデータを収集し、道路の状態をスコア化。その推移をもとに将来的な補修の必要性を予測するものです。
特許によると、利用するデータはカメラ映像、サスペンションの動き、加速度センサー、ホイール回転データなど多岐にわたります。これらを統合して算出される「道路メンテナンススコア(RMS)」が一定の閾値を超えると、道路管理機関(RME)にアラートを送信。道路の規模や交通量に応じて補正を加える仕組みも盛り込まれています。
さらに、このデータはクラウド上に保存・解析され、必要に応じてナビゲーションシステムを更新。運転者に最新の道路状況を提供すると同時に、自治体や交通当局は補修計画を効率的に立てられるようになります。
システムはテレマティクスを通じてクラウドと通信し、GNSS(全地球航法衛星システム)やV2N(Vehicle-to-Network)技術も活用。データはクラウド間で共有され、将来的には都市全体のインフラ管理に直結する可能性があります。
GMのこの取り組みは、単なる自動車メーカーの技術開発を超え、道路維持管理のスマート化という社会的課題にアプローチするものです。特許はまだ審査中ですが、もし実用化されれば、道路補修の効率化、コスト削減、事故リスク低減といった大きなインパクトが期待されます。
重要キーワード3つの解説
- 道路メンテナンススコア(RMS)
車両のセンサーが収集したデータを数値化し、道路の状態を評価する指標。閾値を超えると補修が必要と判定される。 - テレマティクス
車両が通信機能を持ち、クラウドや管制センターにデータを送受信する仕組み。コネクテッドカー技術の基盤。 - V2N(Vehicle-to-Network)
車両とネットワーク間で情報をやり取りする通信技術。交通情報の共有やインフラ管理への応用が進んでいる。