機械的つながりをなくした次世代操舵技術で、デザイン自由度と安全性を両立
国際自動車部品サプライヤーのFORVIA HELLAは、ステア・バイ・ワイヤ(Steer-by-Wire)システム向けの最新世代ステアリングセンサーを、中国の有力自動車メーカー向けに量産開始しました。これにより、2025年内だけでドイツと中国のプレミアムメーカー向けに計3件のシリーズ投入を達成したことになります。開発および量産は、ドイツと中国にある同社のエレクトロニクス生産ネットワークで行われています。
ステア・バイ・ワイヤでは、ステアリングホイールと前輪をつなぐ機械的・油圧的な接続を完全に排除し、操舵信号を電気的に伝達します。FORVIA HELLAのセンサーは、ステアリングホイールのトルクと角度を高精度かつ高信頼で検知し、その情報を電子信号としてステアリング制御ユニットに送ります。これにより、従来必要だったステアリングコラムなどの部品が不要となり、状況やユーザーの好みに合わせて操舵特性を柔軟に変更できます。さらに、エンジンルームや車内デザインの自由度向上、モジュール化によるコスト削減やバリエーション縮小、衝突安全性の向上など、多方面でメリットがあります。
エレクトロニクス部門マネージングディレクターのヨルク・ワイスゲルバー氏は、「今回のシリーズ投入により、完全電動操舵システムの開発を着実に前進させています。ドイツ市場と成長著しい中国市場の両方で高い評価を得られたことは、大量生産とコスト最適化を両立しつつ、品質と信頼性を損なわない当社の能力を裏付けています」と述べました。
FORVIA HELLAは2007年からステアリングセンサー市場に参入し、すでに強固な地位を築いています。今回の第5世代製品では、ステア・バイ・ワイヤ機能を初めて実装すると同時に、高い安全要求を満たす冗長構成とコスト効率を両立させたセンサーアーキテクチャが特徴です。
重要キーワード3つの解説
- ステア・バイ・ワイヤ(Steer-by-Wire)
ステアリングホイールと車輪の間に機械的な接続を持たず、電気信号だけで操舵を行うシステム。軽量化や設計自由度の向上、安全性強化が可能。 - 冗長構成(Redundancy Architecture)
センサーや制御系統を二重化・多重化し、故障時にも機能を維持する仕組み。安全性が最重要の自動車システムでは必須の設計。 - モジュール化(Modularization)
部品やシステムを共通化し、車種や仕様の違いに応じて組み合わせを変える設計手法。コスト削減と生産効率向上につながる。