24時間で5,479km、7日間で地球一周超えの40,075kmを走破
Mercedes-AMGは、次世代電動プラットフォーム「AMG.EA」の信頼性を証明するため、イタリアのナルド・サーキットで前例のない耐久テストを実施しました。その結果、コンセプトモデル「Mercedes-AMG GT XX」が25の新記録を打ち立てました。
中でも注目すべきは、24時間で5,479kmを走破した記録です。これは従来の世界記録より1,518kmも長い距離で、1日で東京からシドニーを往復できるほどの走行に相当します。さらに、わずか7日と13時間あまりで40,075km、つまり地球の赤道全周を走り切り、ジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』を10分の1以下の日数で実現した形となりました。
この偉業を可能にしたのは、時速300kmを維持できる高効率な走行性能と、850kW級の超高速充電技術です。わずか5分の充電で約400kmを走行可能という性能は、現行の充電ネットワークを大きく超えており、未来の電動車インフラの方向性を示しています。
GT XXは3基の電動モーターを搭載し、合計出力は1,000kW(約1,360馬力)以上。特に後輪の2基はオイル冷却式アキシャルフラックスモーターで、軽量かつ高効率を実現しています。バッテリーにはエネルギー密度300Wh/kg超の円筒型NCMAセルを採用し、冷却には電気を通さない特殊オイルを使用。極限の耐久走行を可能にしました。
今後、この成果は市販モデルへの技術展開や充電インフラ整備の加速につながり、EV市場全体に大きなインパクトを与えると期待されています。
重要キーワードの解説
AMG.EAプラットフォーム
Mercedes-AMGが開発する次世代EV専用基盤。高出力・高効率を両立し、超高速充電に対応。
850kW超高速充電
現在の市販EVが一般的に150〜350kWであるのに対し、その2倍以上の出力で充電可能。わずか5分で400km走行分の電力を供給。
耐久走行記録
24時間で5,479km、7日間で40,075kmという走行距離は、電動車だけでなく自動車史全体において画期的な成果。