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EUが73億ユーロを「Horizon Europe 2025」に投資 — グリーン&デジタル革新で欧州を牽引へ

  • EUが2025年「Horizon Europe」に73億ユーロを投資し、研究・革新を加速
  • 気候対策に35%、デジタル技術に36%の予算を配分し、グリーン&デジタル移行を推進
  • 若手研究者支援や“Choose Europe for Science”などで人材育成も重視
  • ウクライナやガザの研究者への支援で国際連帯も強化
  • 公募はすでに開始、欧州全体の競争力強化に直結するプロジェクトを支援

気候対策、AI、次世代モビリティ、研究者支援など、全方位で欧州の競争力を強化



欧州委員会は、2025年の「Horizon Europe」作業計画として、総額73億ユーロ(約1兆2000億円)の巨額投資を発表した。これは、気候変動対策やデジタル技術推進、持続可能な都市開発、研究者支援など、多岐にわたる革新的プロジェクトを支える資金となる。

「Horizon Europe」は、2021年から2027年まで続くEUの旗艦研究開発プログラムで、総予算は935億ユーロにのぼる。今回の2025年版では、「脱炭素」「デジタル主導」「人材投資」「国際連携」の4本柱を強化し、欧州を科学と技術の世界的リーダーへと導くことを目的としている。

重点分野には、再生可能エネルギー、スマートインフラ、AI、食品・農業の持続可能化、バイオ多様性の保全などが含まれ、これらだけで全体予算の7割を占める。特に気候関連には35%、デジタル技術には36%が割り当てられ、欧州のグリーン・デジタル移行を加速させる。

また、自動車産業の脱炭素化に向けた電動車・循環型製造・サイバーセキュリティへの支援、新設された「Choose Europe for Science」では若手研究者向けに500億円規模の投資が行われる。さらに、ウクライナやガザ地区などの危機地域の研究者支援も盛り込まれ、人道的・戦略的側面の両立が図られている。

各種公募はすでに欧州委員会のポータルサイトで開始されており、今後もさらなる簡素化と戦略的連携を進める予定だ。研究から実社会への架け橋として、Horizon Europeは欧州の革新力を形にしていく。

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