UberやNVIDIAなど世界的パートナーが参画、グローバル規模でのロボタクシー展開へ
米自動運転技術のリーダーであるNuro, Inc.は、シリーズE資金調達ラウンドを完了し、2億300万ドル(約320億円)を新たに確保しました。これにより同社の評価額は60億ドルに達し、自動運転技術の実用化と商用パートナーシップ拡大に向けた体制を強化します。
今回のラウンドには、Uber、Baillie Gifford(既存投資家)、Icehouse Ventures、Kindred Ventures、NVIDIA、Pledge Venturesが参加しました。4月にはすでに1億600万ドルの初回トランシェを発表しており、T. Rowe PriceやFidelity、Tiger Global、Greylockなど著名な投資家が参画済みです。
NuroはAIファーストの自動運転プラットフォーム「Nuro Driver™」を自動車メーカーやモビリティサービス事業者に提供しており、商用車両やライドシェア、個人車両に幅広く導入できる道を開いています。共同創業者兼社長のDave Ferguson氏は、「シリーズEの完了は、我々の技術と商用化戦略への強い信頼を示すものです。次の成長段階では、世界規模でのパートナーシップ構築を推進します」とコメントしました。
今回の資金調達を後押しする形で、NVIDIAが投資に加わり、技術面での協業をさらに強化。Nuroの最新コンピュートモジュールはNVIDIA DRIVE AGX Thorを採用しており、クラウド上での大規模データ処理やAI学習でもNVIDIA GPUを活用しています。
さらに、2025年7月にはLucidおよびUberと提携し、次世代ロボタクシーサービスの立ち上げを発表。まず米国の主要都市で2万台規模のLucid車両にNuro Driver™を搭載し、世界各地へ展開する計画です。
Nuroはこれまでに23億ドル以上を調達。すでに9年以上の開発と5年以上の公道実績を持ち、複数の州で安全ドライバーなしでの市街地走行を実現している数少ない企業の一つです。今後、世界的な商用展開が進めば、自動運転の普及における大きなマイルストーンとなるでしょう。
重要キーワード3つの解説
- Nuro Driver™
Nuroが開発するAIベースの自動運転プラットフォーム。商用フリートから個人車両まで幅広く対応可能。 - シリーズE資金調達
成熟段階のスタートアップが事業拡大やグローバル展開を目的に行う大型資金調達ラウンド。 - ロボタクシー
自動運転車両によるタクシーサービス。NuroはLucidやUberと組み、数万台規模の展開を計画。
