革新的なRobotaxi GXRが都市交通を変える第一歩に
2025年9月、中国・広州市の黄埔区でWeRideが新たな歴史を刻みました。同社は、自社開発の量産型ロボタクシー「Robotaxi GXR」を使い、24時間365日、完全無人で商用運行するサービスを正式に開始したのです。これにより、乗客は「WeRide Go」アプリを通じて、区内のどこからでも出発地と目的地を指定し、無人車両を呼び出すことが可能になりました。
この取り組みは、単なる技術デモンストレーションではなく、都市中心部での本格的な移動インフラとしての実用化を意味します。WeRideは2024年10月にGXRを発表してから、わずか11か月で公道試験、認証取得、免許交付を経て完全無人運転に移行しました。このスピード感は「WeRide Speed」と呼ばれ、同社の強みを象徴しています。
Robotaxi GXRは、NVIDIA製の最新チップ「DRIVE AGX Thor」を2基搭載し、毎秒20京回以上の演算処理を可能にする高性能コンピューティング基盤を備えています。雨や霧、夜間といった条件下でも人や車、工事エリアを正確に認識できるセンサー群を搭載し、さらにブレーキや制御系を二重化することで万一の故障にも対応できる安全設計が施されています。また、車内は広々とした空間と大きな出入口を持ち、5人乗車時でも快適性を保てるよう工夫されています。
WeRideは2019年に広州で中国初のロボタクシー有料サービスを始めて以来、累計2,200日以上にわたり安全な運行実績を積み上げてきました。2025年5月には、広州塔や広州白雲国際空港など都市の主要拠点を結ぶネットワークを完成させています。今後はこの成果をもとに、他都市やさまざまなパートナーと連携し、大規模な完全無人化の拡大を進めるとしています。
重要キーワード3つの解説
Robotaxi GXR:WeRideが量産した専用ロボタクシー車両。都市走行に最適化され、安全性と快適性を両立している。
Level 4自動運転:一定の条件下では人間の操作を一切必要とせず走行可能な高度自動運転レベル。今回のサービスはこの技術に基づいている。
WeRide Speed:短期間で実証実験から商用化に移行するスピード感を表す言葉。WeRideの競争力の象徴となっている。