WayveとNVIDIA、5億ドル規模の戦略的投資に向けた協議を開始

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地図に頼らないAIと世界最先端の計算基盤で、量産レベルの自動運転を狙う

イギリスのスタートアップ Wayve は、自動運転技術に特化したAI企業で、地図や特定の車載機器に依存しない柔軟な自動運転システムを開発しています。今回Wayveは、米国の半導体大手 NVIDIA5億ドル(約750億円)規模の投資について協議する基本合意書を締結しました。これは最終的な契約ではありませんが、実現すればWayveの開発体制は大幅に強化されます。

両社は2018年から協力関係にあり、Wayveの自動運転システムはこれまでもNVIDIAの計算プラットフォームで動いてきました。次世代の 「Wayve Gen 3」 では、NVIDIAの最新基盤 DRIVE AGX Thor が採用される予定です。これは自動車向けに設計された超高性能コンピュータで、最新GPU「Blackwell」を搭載し、安全認証済みのOSや包括的な安全機能を備えています。これにより、レベル3(一定条件下で人が操作から解放される段階)からレベル4(完全無人運転)までの実現が視野に入ります。

Wayveの特徴は、事前に作られた詳細な地図を使わずにAIがその場の状況を理解し、柔軟に対応できる点にあります。これは「Embodied AI」と呼ばれる考え方で、人間のように環境を認識して行動するのが特徴です。従来の「地図ありき」の自動運転に比べ、都市や道路の変化にも素早く対応できる可能性があります。

もし今回の投資が実現すれば、Wayveは開発スピードを上げ、NVIDIAの計算基盤と組み合わせてグローバルに技術を展開する道が開けます。日本の自動車メーカーにとっても、地図整備や専用ハードに依存しない自動運転という新しいアプローチが広がることは、今後の競争環境に少なからぬ影響を与えるでしょう。

重要キーワードの解説

  • Embodied AI:人間のように環境を認識し、その場で判断できるAI。地図がなくても走行可能。
  • DRIVE AGX Thor:NVIDIAが開発した最新の自動車向け計算基盤。高性能GPUと安全システムを搭載し、自動運転の「頭脳」となる。
  • レベル3/レベル4:自動運転の国際基準。レベル3は特定条件下で人が監督から解放される段階、レベル4は完全無人で走行できる段階。

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