InfineonとROHM、SiCパワー半導体で協業 ― 顧客に柔軟な選択肢を提供

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ドイツのInfineon Technologiesと日本のROHMは、シリコンカーバイド(SiC)パワー半導体のパッケージに関する**覚書(MoU)**を締結しました。両社は、特定のSiCパワーデバイスで互いに「セカンドソース」として機能できるようにすることで、顧客に設計と調達の柔軟性を提供することを目指しています。これにより、顧客は互換性のある製品をInfineonとROHMのどちらからも調達できるようになり、調達リスクの低減と開発効率の向上が期待されます。

今回の協業では、ROHMがInfineonのトップサイド冷却技術(TOLT、D-DPAK、Q-DPAKシリーズなど)を採用し、一方でInfineonがROHMの先進的なDOT-247パッケージを取り込む形で進められます。トップサイド冷却は基板スペースの有効利用や冷却コスト削減に寄与し、最大2倍の電力密度を実現します。一方DOT-247は従来のTO-247に比べて熱抵抗を約15%低減し、インダクタンスを50%削減することで2.3倍の電力密度を可能にします。

さらに、両社は今後、シリコンやGaN(窒化ガリウム)を含む他のパッケージ技術にも協業を拡大していく計画です。

重要キーワードの解説

  • SiC(シリコンカーバイド):高耐圧・高効率の半導体材料。小型化や高出力化が求められるEVや再エネ設備で注目される。
  • トップサイド冷却:半導体を上面から冷却する技術。放熱効率が高く、設計の自由度やシステムコスト低減につながる。
  • DOT-247:ROHMが開発した高性能パッケージ。従来のTO-247に比べて電力密度と熱効率に優れる。

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