ADASと自動運転を融合した次世代プラットフォームで、自動車業界の変革を後押し
Qualcomm TechnologiesとValeoは、長年の協力関係をさらに進化させ、先進運転支援システム(ADAS)と自動運転(AD)の新しいソリューションを世界の自動車メーカーへ提供すると発表しました。両社の強みを掛け合わせることで、従来よりも効率的で安全性に優れたシステムが実現し、自動車の開発から市場投入までのスピードを大きく高めることが期待されています。
今回の協業では、QualcommのSnapdragon Rideプラットフォームを中心に、SoC(System-on-Chip)やADAS/AD用ソフトウェア群を統合。これにValeoの持つセンサーや駐車支援アルゴリズム、ECU(電子制御ユニット)、そしてシステム統合ノウハウを組み合わせることで、実用的かつ柔軟に導入できるソリューションが誕生しました。特に安全性とサイバーセキュリティに重点を置いた設計が特徴で、各国の厳しい規格にも対応できる点が強みです。
また、新しいシステムはADASと車載インフォテインメント(IVI)を1つのSnapdragon Ride Flex SoCに統合できるため、従来のように複数のコンピュータを搭載する必要がなく、車両の設計を簡素化しつつコスト削減も可能にします。さらに、自動駐車や乗員モニタリング、NCAP 5つ星レベルの安全機能なども搭載済みで、メーカーはそのまま導入することができます。
今後、自動車産業は「ソフトウェアで進化する車=Software-Defined Vehicle(SDV)」の時代へと進んでいきます。今回の動きは、その加速をさらに後押しするものであり、自動車メーカーにとっては新しい競争力を得るチャンスとなります。一方で、消費者にとっては、より安全で快適な運転体験が身近になるでしょう。
重要キーワード3つの解説
ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)
運転支援システムのこと。自動ブレーキや車線維持支援など、ドライバーを補助して事故を減らす技術。
Software-Defined Vehicle(SDV)
ハードウェアよりもソフトウェアによって機能が進化する車。スマートフォンのようにアップデートで性能や機能を拡張できるのが特徴。
Snapdragon Ride™
Qualcommが開発する車載向けの高性能チップとソフトウェアの総称。ADASや自動運転、インフォテインメントまで幅広く対応できる。

