Vishayが新世代ESD保護ダイオードを発表:自動車から産業機器まで幅広く対応

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3.3V〜36V対応、最大44Aパルス電流に耐える高性能デバイスが市場投入

2025年8月、Vishay Intertechnologyは新しい自動車グレードのESD保護ダイオードを発表しました。今回のVGSOTxxおよびVGSOTxxCシリーズは、従来のGSOTシリーズを大きく上回る性能を持ち、最大44Aのパルス電流(8/20µs)と540Wのピークパワーに対応します。パッケージはSOT-23で、より効率的な放熱設計により、設計の堅牢性が大幅に向上しています。

この新製品は、自動車の電子制御や燃料電池、スマートエネルギー計測、産業オートメーション、モータードライブ、電動工具、さらには医療機器や軍事用電子システムまで、幅広い分野で活用可能です。特に、自動車分野ではAEC-Q101規格に準拠しており、信頼性が重視される車載用途でも安心して採用できます。

また、VGSOTxxCシリーズは共通アノード構成を持ち、双方向のESD保護が可能です。さらに、必要に応じてデュアルダイオードを並列で使用することで、サージ耐性を倍増させられる柔軟性も備えています。

環境対応の面でも、RoHS準拠、ハロゲンフリー、そしてVishay Greenを満たし、持続可能な製品選定の観点でもアピールポイントとなります。既存のGSOTシリーズや競合SOTデバイスのドロップイン代替が可能なため、設計変更の負担を軽減しながら性能向上を実現できる点も大きな魅力です。

今後、このシリーズは車載エレクトロニクスのさらなる小型化と高耐久化を支え、産業・通信・医療機器市場においても新たな標準品として広がる可能性があります。日本企業にとっても、次世代の車載・産業ソリューションに組み込むチャンスが拡大すると考えられます。

重要キーワード3つの解説

  • ESD(静電気放電)保護
    静電気による回路破壊を防ぐ技術。特に車載・産業機器では耐性強化が必須。
  • AEC-Q101
    自動車向け半導体の品質・信頼性試験規格。これに準拠していることで車載市場への参入障壁が下がる。
  • SOT-23パッケージ
    小型で広く使われる表面実装パッケージ。高性能化しつつ従来品と互換性があるため設計移行が容易。

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