米国のVishay Intertechnologyは、電気自動車や再生可能エネルギー、産業機器向けに新しいDC-Linkフィルムコンデンサ「MKP1848e」を発表しました。コンデンサは電気を一時的にためて安定させる部品で、インバータや充電器のように大きな電力を扱う装置に欠かせない存在です。
今回のMKP1848eは、最大+125℃の高温や高湿度といった過酷な環境でも長時間安定して動作できるのが特長です。さらに、電流の波打ちを抑える「リップル電流」に強く、従来品より効率よく処理できるため、発熱を減らし長寿命化にもつながります。これにより、電気自動車のオンボードチャージャーやパワートレイン、ソーラー発電設備や蓄電システムなど、幅広い分野での利用が期待されています。
また、この製品はAEC-Q200という自動車部品の国際規格に合格しています。これは温度変化や振動など、自動車特有の厳しい環境でも信頼して使えることを証明するものです。
小型で信頼性が高いDC-Linkコンデンサは、これからのエネルギー転換や次世代インフラに欠かせない部品です。MKP1848eはその役割を一歩先に進める存在になりそうです。
重要キーワード3つの解説
AEC-Q200:自動車用電子部品の信頼性を評価する国際規格。温度や湿度、振動などの試験を行い、過酷な条件に耐えられることを確認する。
リップル電流:電源回路で直流に混ざる余分な脈動電流。大きすぎると部品が発熱し寿命が縮むため、これを抑えられるとシステム全体が安定する。
DC-Linkコンデンサ:インバータやコンバータで直流を一時的に蓄え、電圧を安定させる役割を持つ。EVや再生可能エネルギー装置などの“心臓部”となる重要部品。