VinFast創業者、R&D部門を15億ドルで買収 資金注入で黒字化に再挑戦

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ベトナムの電気自動車メーカーVinFastの創業者ファム・ニャット・ブオン氏が、自らの会社への支援として15億2,000万ドル(約4兆ドン)を投じ、研究開発(R&D)部門を買収することになりました。今回の取引では、国内製造部門VinFast Trading and Production JSC(VFTP)からNovatech Research and Development JSCを切り離し、独立させます。

このNovatechは、すでに完了しているR&Dプロジェクトの投資資産を保有し、その知的財産は必要に応じてVinFastに貸し出されます。一方で、VFTPは引き続きベトナム国内でEVの生産と新たな研究開発を担います。こうした構造の見直しにより、VinFastは製造に集中しながらも、技術の利用範囲を柔軟に広げられる体制となります。

VinFastは2023年にナスダックへ上場しましたが、その後は需要の低迷や競争激化に直面しました。その結果、2025年第1四半期には7億1,240万ドルの純損失を計上しましたが、一方で売上は前年同期比150%増の6億5,650万ドルに急増しています。今回の取引後も、ブオン氏はVinFastと親会社Vingroupの株式を約98%保有し、全面的な支援を継続する方針です。

同社はすでに第1世代EVの開発を終えており、2025年には年間20万台の納車を目標としています。これは2024年実績の倍以上で、大半はベトナム国内で販売される予定です。また、2025年第1四半期のR&D費用は8,120万ドルと、前年同期比で22.3%減少しました。

今回のR&D部門切り離しは、単なる資金繰り改善策にとどまらず、財務体質の強化と事業拡大の両立を狙った一手と言えます。そして、同社が掲げる2026年末の黒字化という大きな目標に向け、持続的な成長のための土台を整えることにもつながります。

重要キーワード3つの解説

  • R&D(研究開発)部門切り離し
    企業が研究開発機能を別会社化し、資産売却や外部資金調達をしやすくする手法。資金確保と経営効率化を同時に狙える。
  • 知的財産(IP)のリースバック
    切り離した会社が保有する特許や技術を、元の会社が使用料を払って利用する契約形態。技術活用を継続しながら資産を売却できる。
  • 黒字化目標2026年末
    VinFastが掲げる財務上の大きなマイルストーン。急成長市場の中で、コスト削減と販売拡大の両方を達成する必要がある。

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