充電時間短縮と航続距離改善に貢献する高耐圧・省スペース設計の「TLX9161T」登場
東芝デバイス&ストレージ株式会社は、出力耐圧1500Vを実現した小型パッケージの車載フォトリレー「TLX9161T」を発売しました。本製品は、EV(電気自動車)のバッテリー管理システム(BMS)に適した高耐圧タイプで、本日より量産出荷を開始しています。
EV普及の大きな課題は、充電時間の短縮と航続距離の向上です。これを支えるBMSは、バッテリーの充電状態を監視して効率的に運用すると同時に、高電圧バッテリーと車体の絶縁を監視し、安全性を確保しています。このBMSに欠かせないのが、一次側と二次側が電気的に絶縁されたフォトリレーです。
新製品TLX9161Tは、従来品TLX9160Tを小型化したもので、内蔵MOSFETチップを縮小することでSO12L-Tパッケージに搭載。これにより基板実装面積を約25%削減し、BMSの小型化とコスト削減に寄与します。さらにピン配置は従来と同じため、既存の基板設計をそのまま活用可能です。
また、本製品はCTI(比較トラッキング指数)600超の樹脂を採用し、IEC 60664-1規格の材料グループIに適合。検出側で5mm以上の沿面距離を確保する設計により、1000V動作に対応しています。さらに、絶縁耐圧5000Vrms、AEC-Q101規格適合など、高い信頼性を確保しました。
東芝は今後もフォトリレー製品のラインアップ拡充を進め、EVの安全性と効率性向上に貢献することで、カーボンニュートラル社会の実現を目指すとしています。
重要キーワード3つの解説
- フォトリレー
一次側(制御)と二次側(スイッチ)を光で絶縁するリレー。機械的接点を持たないため、長寿命かつ高電圧に対応できる。 - BMS(バッテリーマネジメントシステム)
EVの心臓部とも言える制御システム。電池の充電状態や絶縁を監視し、安全で効率的な運用を可能にする。 - CTI(比較トラッキング指数)
絶縁材料の表面に電気的なトラック(導電経路)ができる前に耐えられる電圧を示す指標。高いほど安全性に優れる。
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