シリコンからシリコンカーバイドへの転換を加速し、EVや再エネ分野に大きな波及効果
アメリカのWolfspeedは2025年9月、200mm(8インチ)シリコンカーバイド(SiC)材料の商用展開を始めました。シリコンカーバイドは従来のシリコンに代わる新しい半導体材料で、電気を効率よく扱えるため、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー設備に欠かせない技術として世界的に注目されています。
これまで主流だった150mm(6インチ)の基板よりも大きな200mm基板を使うことで、一度に作れるチップの数が増え、量産効率が大幅に改善されます。さらにWolfspeedは、基板の表面に高品質の結晶層をつくるエピタキシー技術も同時に提供。これにより製品の性能や品質が安定し、自動車から産業機器まで幅広い分野で応用できるようになります。
同社の幹部は「200mm SiCはただ大きいだけではなく、顧客の開発を確実に前進させる材料革新だ」と強調しています。今後はEVの航続距離を伸ばしたり、再エネ発電の効率を高めたりと、脱炭素社会に向けた大きな後押しとなることが期待されます。
重要キーワード3つの解説
- SiC(シリコンカーバイド):シリコンに比べて高効率・高耐圧を実現できる半導体材料。EVや再エネ分野での利用が急拡大している。
- 200mmウェハー:従来主流だった150mmから一回り大きな直径。より多くのチップを一度に製造でき、量産効率が飛躍的に高まる。
- エピタキシー:ウェハー上に高品質な結晶層を形成するプロセス。デバイス性能や歩留まりを大きく左右する重要技術
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