CATL、欧州EV市場を変える「Shenxing Pro」発表 ― 安全性・長寿命・超急速充電を実現

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世界初の高性能LFP電池がIAA Mobility 2025で公開。欧州の電動化課題に最適解を提示

世界最大のEVバッテリーメーカーであるCATLは、ドイツ・ミュンヘンで開かれたIAA Mobility 2025で、新世代バッテリー「Shenxing Pro」を発表しました。これは、世界で初めて高電圧を持続供給しながら、熱暴走後も発火や発煙を起こさないLFPバッテリーであり、欧州市場のニーズに合わせた安全性・寿命・航続距離・充電速度のすべてにおいて新基準を打ち立てています。

欧州ではEV普及が急速に進んでおり、2025年には販売台数が400万台に達すると予測されています。しかし、依然として消費者は「コスト」「航続距離」「充電インフラ」「安全性」に不安を抱えています。Shenxing Proはこれらの課題を直接解決し、より安心で持続可能なモビリティ社会に向けた一歩となります。

Shenxing Proには二つのバリエーションがあります。ひとつは758kmの航続距離と100万km/12年の耐久性を誇る「Super Long Life & Long Range」モデル。もうひとつは10分で478km分を充電できる超急速充電対応モデルで、–20℃の環境でも20分で410kmの走行を可能にします。これらはいずれもCATLの独自技術「NP 3.0」に支えられており、熱暴走時でも車両は走行を維持し、安全に停止できるよう設計されています。

CATLは欧州に110億ユーロ以上を投資し、製造拠点や人材育成に注力してきました。既に200社以上の自動車メーカー、1000社を超えるサプライヤーと協業しており、電池の提供にとどまらず「欧州発のEVエコシステム」を築こうとしています。今回のShenxing Proの発表は、その取り組みをさらに加速させるものと言えるでしょう。

今後、欧州で自動運転(L3/L4)が普及するにつれ、車両システムに課される安全要求は一層高まります。Shenxing Proは事故時でも動力を途絶えさせない安全設計を備えており、単なる性能競争を超えて「未来のモビリティの信頼性」を支える存在となる可能性があります。

重要キーワード3つの解説

  • Shenxing Pro
    CATLが開発した次世代LFPバッテリー。長寿命型と超急速充電型の2種類を展開し、航続距離・寿命・安全性の全てで従来を上回る性能を実現しています。
  • NP 3.0 Technology
    CATLが7年かけて進化させた独自の安全技術。「No Propagation(伝播させない)」を意味し、熱暴走が起きても火や煙を発生させず、車両の走行を一定時間継続させることが可能です。
  • Wave Cells
    世界初の全方向固定・冷却を可能にするセル設計。振動耐性を高め、パック効率を76%まで引き上げることで、軽量化と耐久性の両立を実現しました。

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