ヨーロッパを駆ける小さな革命――シトロエンAmiとMobilize Duoが切り開く超小型EVの未来

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都市の足からレジャーまで、多彩に広がる欧州マイクロモビリティ市場

フランスを中心とする欧州市場では、超小型EV(マイクロカー)が新しい都市モビリティとして定着しつつあります。その代表格がシトロエンの「Ami(アミ)」です。2020年に登場したAmiは、全長2.41m・最高速度45km/hというコンパクトさと、原付免許(AM免許)で14歳から運転できる手軽さが支持され、2024年までに累計7万5,000台以上を販売するヒットとなりました。価格も6,000~7,000ユーロと抑えられ、月額リース20ユーロといった低負担プランも普及。若者から高齢者まで幅広い層が日常の移動手段として選んでいます。

2025年にはデザインを刷新した「New Ami」が登場し、前後ライトを一新した愛嬌あるスタイルへ進化しました。さらに屋根とドアを省いたレジャー仕様の「Ami Buggy」も量産化され、2025年夏から初回出荷が始まっています。都市の日常から週末の遊びまで、シトロエンは派生モデルを拡充することでマイクロモビリティの世界を広げています。

一方、ルノーグループは新ブランドMobilize(モビライズ)を立ち上げ、シトロエンに対抗する「Mobilize Duo」を展開しました。DuoはかつてのTwizyの後継にあたり、前後タンデム式の座席配置が特徴。45km/h版(AM免許対応)と80km/h版(要普通免許)が用意され、航続距離は最大161kmと旧モデルから大幅に強化されています。さらに助手席部分を荷室に置き換えた商用モデル「Mobilize Bento」も投入され、宅配などの業務用途にも対応。2025年には低所得層向けのモビリティ支援プログラムにDuoを提供し、社会的課題の解決に役立てられている点も特徴的です。

フランス以外でも、新興企業がユニークな超小型EVを次々と発表しています。スイスの**「Microlino」はレトロなデザインと最新EV技術を組み合わせたモデルで、2025年にはオープントップ仕様「Spiaggina」を追加しました。オランダのSquad Mobility**はソーラーパネル搭載の超小型EV「Squad」を開発中で、太陽光だけで1日20km分を充電可能としています。さらにフランスのLigierやAixamといった老舗メーカーもEV化を進めており、若年層や高齢者のセカンドカー需要に応えています。

欧州各国の政策も市場を後押ししています。フランスでは2024年に「月額100ユーロのEVソーシャルリース」制度が試行され大きな反響を呼びました。2025年には規模を縮小しつつも同制度が復活し、低所得層向けに年間5万台規模でEVリース補助が再開される予定です。また、都市では車両の大きさや重量によって駐車料金が変動する仕組みが導入され始め、小型EVが経済的メリットを享受できる環境も整いつつあります。

このように、ヨーロッパでは「必要十分な移動手段」としての超小型EVが、日常生活から社会政策、そしてレジャーにまで広がりを見せており、都市の風景を大きく変える存在になりつつあります。

重要キーワード3つの解説

  • Ami(アミ)
    シトロエンが展開する2人乗り超小型EV。安価で免許要件も緩やか、若者から高齢者まで支持を集める欧州マイクロモビリティの代表格。
  • Mobilize Duo / Bento
    ルノーの新世代マイクロEV。最大161kmの航続と安全装備を備え、個人利用から商用まで幅広く対応。CSR施策としても活用されている。
  • Microlino / Spiaggina
    スイス発のレトロ調超小型EV。観音扉やオープントップ仕様など遊び心あるデザインで、都市のセカンドカー市場を狙う。

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