2024年、世界のEV生産は17.3百万台に達し、地域ごとの生産の違いが浮き彫りに
2024年、世界の電気自動車(EV)の生産台数は17.3百万台に達し、前年比で約25%増加しました。この成長の多くは中国の生産増加によるもので、中国の生産台数は12.4百万台に達し、世界のEV生産の70%以上を占めています。中国は引き続き、世界のEV製造の中心地としての地位を維持しており、国内メーカーの生産が増加しています。2024年には、中国のOEM(自動車メーカー)が国内生産の80%以上を占め、2021年の約2/3から大きな増加を見せました。
一方、欧州連合(EU)では、2024年の生産台数が240万台で横ばいとなりましたが、国内販売を5%以上上回った結果となりました。ドイツのOEMは前年比で5%の増加を見せましたが、他のEUメーカー(ステランティスやルノー)は生産が15%以上減少し、合計で約42万台を生産しました。アメリカのOEMは、2021年から2024年にかけてEUでの生産が6倍増し、主にテスラやフォードの牽引によるものです。その結果、EU生産に占める外国OEMのシェアは約20%となりました。
イギリスでは、2024年にEV生産が30%減少し、8万台にとどまりました。一方、トルコの生産は45,000台に達し、そのうち2/3は国内メーカーのToggによるものでした。
北米では、生産に顕著な対比が見られました。特に、アメリカ合衆国では生産が7%減少した一方で、メキシコでは生産が倍増し、22万台に達しました。アメリカの自動車メーカーがメキシコで生産を増強した結果、メキシコの生産の70%はアメリカのOEMが占め、残りの30%は日本やEUのOEMが貢献しました。カナダの生産は、隣国と比較して少なく、2024年の生産台数は25,000台にとどまりました。
アジア太平洋地域では、中国を除いた他の国々のEV生産も増加し、合計で約100万台に達しました。日本のトヨタや韓国のヒュンダイが地域の生産の大部分を占める中で、ベトナムのVinFastやインドのタタなどの新興EVメーカーがシェアを増加させ、2024年には新興メーカーが15%の生産シェアを占めるようになりました。インドでは、タタやマヒンドラといった国内OEMが、2024年に7万5,000台の国内生産の80%以上を占めました。
重要キーワード3つの解説
- 中国の生産シェア
中国は引き続き世界のEV生産の中心地として、70%以上のシェアを占めています。特に、国内メーカーの生産が増加しており、外国直接投資の拡大が期待されています。 - EUの生産動向
欧州では、ドイツのOEMの生産は増加しましたが、ステランティスやルノーなど他のメーカーは生産が減少しました。アメリカや中国のOEMがEU市場において重要な役割を果たしています。 - 北米とアジアの新興メーカーの台頭
北米のメキシコ生産や、アジア太平洋地域の新興メーカー(VinFastやタタ)の台頭が、今後のEV市場における生産の競争を激化させています。