- BMWランドスフート工場がデジタル技術で部品生産を革新
- AIによる品質検査、自動CTスキャン、スマート物流を導入
- 「Shopfloor.Digital」構想で世界30拠点の生産プロセスを統合
- 社員がAIを学べる「AI Lab」やノーコード開発も推進
- サプライヤーと共に「ゼロ・ディフェクト」体制を構築中
AIと自動化で品質・効率・柔軟性を追求する「スマートファクトリー」構想が本格始動
BMWグループは、最大の部品生産拠点であるドイツ・ランドスフート工場において、AI主導の生産管理やスマート物流、CTスキャンによる自動品質検査など、最新のデジタル技術を活用した製造革新を推進しています。工場長トーマス・タイム氏は、「デジタルカーの裏には、デジタルファクトリーがなければならない」と述べ、工場全体のデジタル化への強い意志を示しました。
ランドスフート工場では、AIを活用してデータ異常をリアルタイムで検知し、サイバー攻撃も早期に対応。また、クラウドベースのITアーキテクチャと接続型の生産設備により、生産の可視性と品質が大幅に向上しています。
「Shopfloor.Digital」プログラムでは、世界30カ所の生産拠点のプロセスとITを統合。ランドスフートはその中核として、データ駆動型の継続的改善を進めています。さらに、ライン上でAIカメラによる検査を行う「BMWエナジーマスター」の製造や、完全自動搬送ロボットによるコックピット部品の品質検査と梱包工程も導入されました。
電動車「Neue Klasse」向けに生産される電動モーター用アルミハウジングは、わずか42秒でCTスキャンを実施。2,400枚の画像をAIが解析し、3D品質検査が自動で完了します。こうしたCTとAIの融合は、自動車製造における画期的な工程といえます。
また、「AI Lab」では従業員がノーコードアプリの作成やAIツールの学習を実践的に体験できる環境を整備。さらに、サプライチェーン全体でも「ゼロ・ディフェクト・サプライチェーン」キャンパスを通じて、パートナー企業と共に高品質・安定生産を目指す取り組みが行われています。
BMWグループのランドスフート工場は、まさに“次世代のスマートファクトリー”として、持続可能で効率的なモノづくりの未来を切り拓いています。
その他の記事
-
BMWとQualcommが共同開発、次世代自動運転「Snapdragon Ride Pilot」がついに始動
-
ついに上陸!MGの新ブランド「IM」が豪州に本格参入 ─ EV時代のプレミアムを再定義するIM5とIM6
-
BMW、第6世代電動パワートレイン(Gen6)を量産開始——800V技術と革新的制御でEV性能が大幅進化
-
BMW、新型電気モーターを本格生産開始 —— 800km走るiX3がいよいよ登場へ
-
規制とどう向き合う?自動車メーカーのZEV移行に対する姿勢を検証
-
テスラ、BYDが首位に君臨 日本勢は依然苦戦:2024年EV評価の全貌
-
EV化への本気度は?目標・投資・CEO報酬で分かるメーカーの覚悟