BMWとQualcommが共同開発、次世代自動運転「Snapdragon Ride Pilot」がついに始動

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BMW iX3に初搭載、60か国で利用可能。AIと安全性を融合した自動運転システムが世界へ拡大

2025年9月、QualcommBMW Groupは3年にわたる共同開発の成果として、自動運転システム「Snapdragon Ride Pilot」を正式発表しました。発表の場となったのは、国際モーターショーIAA Mobility 2025。初めての搭載モデルは、BMWの新世代SUV BMW iX3(Neue Klasseシリーズ第1弾)です。

このシステムはすでに60か国で利用可能で、2026年には100か国以上に展開される予定です。今回の発表は、両社が自動運転の未来を実用化に大きく近づけたことを示しています。

Snapdragon Ride Pilotの中核には、Qualcomm製の高性能チップ「Snapdragon Ride SoC」があり、膨大なカメラやレーダーのデータをAIが処理します。さらに、ソフトウェアも両社の役割分担によって開発されました。Qualcommは周囲を認識する技術を、BMWはどう走るかを判断する制御部分を担当し、両社の強みが融合したシステムとなっています。

この仕組みは幅広いレベルに対応しており、衝突回避や自動ブレーキといった基本機能から、高速道路でのハンズフリー運転(レベル2+)や都市部でのナビ付き自動運転までをカバーしています。

実際にBMW iX3に搭載されると、運転体験は大きく変わります。例えば、ドライバーが軽くミラーに視線を送ったり、ハンドルに触れるだけでシステムが自動で車線変更や追い越しを実行。条件を満たせばハンズフリーの高速道路アシストも可能になります。駐車時にはAIが最適なスペースを見つけて誘導し、カメラによる車内監視で眠気や注意散漫も検知します。さらに、V2X通信により他車や道路インフラと直接やり取りし、死角の事故リスクも減らします。

加えて、このシステムは従来の20倍の計算能力を持つ「自動運転用スーパーコンピュータ」を搭載し、複雑な都市環境や多様な交通シナリオでも高精度で対応できるよう設計されています。

今後はBMWだけでなく、Qualcommが他の自動車メーカーや部品サプライヤーにも提供する予定であり、自動運転技術の普及が一気に加速する可能性があります。日本市場でも、近い将来Snapdragon Ride Pilotを搭載した車が登場すれば、運転の安全性と快適性に新たな基準を生み出すことになるでしょう。


重要キーワード3つの解説

Snapdragon Ride Pilot
QualcommとBMWが共同開発した最新の自動運転システム。カメラやレーダーで周囲を検知し、AIが安全かつ高度な走行を実現する。

OTA(Over the Air)アップデート
無線通信を通じてソフトウェアを更新する仕組み。車を買った後でも新しい機能や安全対策を自動で取り込める。

V2X通信
車と車、車と道路インフラが直接通信する技術。交差点の先の車や歩行者も把握でき、事故を未然に防ぐ可能性が高まる。

公式

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