- アンプリウスが450Wh/kgの高エネルギー密度SiCore™バッテリーを発表
- シリコンアノード技術で従来比最大80%のエネルギー向上を実現
- 航空・防衛分野向けに広温度帯対応、高負荷環境下でも高性能発揮
- UN38.3認証取得後、2025年中に本格的な量産・商用展開へ
- グローバル製造ネットワーク構築済み、迅速な供給体制を確立
航空・モビリティ市場向けに拡張、シリコンアノード技術で次世代リチウムイオン電池を量産可能へ
2025年4月24日、カリフォルニア州フリーモント発──次世代リチウムイオン電池開発をリードするアンプリウス・テクノロジーズ(NYSE: AMPX)は、450Wh/kgのエネルギー密度を実現する最新バッテリー「SiCore™」セルの商用展開を発表した。既存の製造プロセスに対応した量産準備が整っており、航空・電動モビリティ分野に革新をもたらす見通しだ。
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アンプリウスの新型SiCore™セルは、950Wh/Lの体積エネルギー密度を併せ持ち、従来のグラファイトアノード搭載リチウムイオン電池と比較して最大80%のエネルギー増加を実現。シリコンアノード技術により、軽量・コンパクトな設計で飛行時間延長や航続距離拡大に貢献する。
CEOのカン・サン博士は「過去にSiMaxxプラットフォームで450Wh/kg達成を示したが、SiCore™は既存製造設備で量産できる点が革新的だ」と強調。すでに顧客による評価・認証プロセスが進んでおり、近く商用量産へと移行する見込みだ。
このバッテリーは、高高度プラットフォーム(HAPS)や中高度プラットフォーム(MAPS)、無人航空機(UAV)など、過酷な環境下でも高性能を発揮。機体の飛行時間と積載量を拡大しつつ、システムコスト削減にも寄与する。さらに、必要バッテリー数や燃料・装備品を最小限に抑え、長時間ミッションの遂行を可能にする。
UN38.3認証も今四半期中に取得予定で、これにより安全な航空輸送が可能となり、世界規模での商用展開が本格化する見通し。アンプリウスはすでにギガワット時規模のグローバル製造ネットワークを構築しており、需要に応じた迅速な供給体制も整っている。
本発表は、2024年1月に発表されたSiCore™プラットフォームに続くものであり、今回の450Wh/kgセル投入により、電動航空、国防、モビリティといった高要求市場での普及が加速することが期待されている。