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800V車載用eFuseの技術検証に成功!SALとAKMが次世代EV保護へ新基準

silicon-austria-labs.com
  • SALとAKMが共同で800V車載アプリ向けeFuseの技術実証に成功
  • SiC・GaNパワーデバイス向けに最適化され、即時の過電流遮断が可能
  • AKM製コアレス電流センサー「CZ39」は100nsの応答速度と高精度を実現
  • 機械式ヒューズに比べ部品点数削減・保守コストの低下にも貢献
  • 2024年6月のPCIM Europeで研究成果を発表予定

高電圧SiCパワーデバイスに対応、機械式ヒューズに代わる高速・高精度な電流遮断技術を実現

シリコンオーストリア研究所(SAL)と旭化成マイクロデバイス株式会社(AKM)は、電気自動車(EV)向け800V高電圧アプリケーションにおける次世代保護技術「eFuse」の技術検証(PoC)を共同で成功させたと発表しました。

近年、EVなどの高電圧機器においてSiC(シリコンカーバイド)やGaN(窒化ガリウム)といったワイドバンドギャップ半導体の採用が拡大しています。これに伴い、従来使用されていた機械式ヒューズでは保護が不十分となりつつあり、即時の電流遮断が可能な電子式ヒューズ(eFuse)が注目されています。

AKMが開発したCZ39コアレス電流センサーは、わずか100ナノ秒という高速応答と高精度を兼ね備えており、過電流検知後すぐにシステムをシャットダウンすることが可能です。この技術をもとに、SALと共同で高信頼性のeFuseシステムを構築。オンボードチャージャー(OBC)やDC/DCコンバータといった次世代EV構成要素における、小型化・軽量化・安全性向上を実現しました。

SALのトーマス・ラングバウア氏は「AKMのセンサー技術により、eFuseの反応速度とパワーコンバータ保護性能が大きく向上した」と述べ、AKMの高塚俊憲氏は「今回の検証成功により、新たなeFuseの標準を打ち立てた」と語っています。

両社は、2024年6月にドイツ・ニュルンベルクで開催される「PCIM Europe 2024」にて、この成果を発表予定です。今後もさらなる市場展開を見据え、共同研究の継続が期待されます。

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