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STマイクロエレクトロニクスと三安光電、中国・重慶で200mm SiC工場を始動 ~NEV市場の国産化加速~

  • STと三安光電が重慶に200mm SiC工場を設立、2025年量産開始へ
  • 中国NEV市場の急成長に対応したローカル生産体制を構築
  • 総投資額300億元、年間48万枚のウェハー生産を目指す
  • SiCは高効率・高電圧EVパワートレインに不可欠な次世代半導体
  • 重慶の物流・政策・技術基盤を活用し、国内外市場への貢献を狙う

中国NEVブームを背景に、SiCパワーデバイスの現地生産体制を構築しサプライチェーンの強靭化へ

中国のNEV(新エネルギー車)市場が世界をリードする中、STマイクロエレクトロニクスと三安光電は、重慶に最先端の200mm SiC(シリコンカーバイド)製造拠点を共同で設立。2025年第4四半期に量産開始予定で、2028年までに年間48万枚のウェハー生産能力を目指す。

同プロジェクトは、総投資額300億元(約32億ドル)をかけて進められており、NEVや産業用途におけるSiC需要に応えると同時に、国産化と垂直統合によるコスト削減、供給安定性向上を図るもの。2024年8月には三安の基板工場が初の試作に成功し、現地生産体制が本格始動した。

重慶が選ばれた背景には、内陸物流の要衝としての地理的優位性や政府の「スマート製造都市」戦略、先進的な都市開発がある。STは今回のJV設立により、中国最大市場への直接アクセスと、世界的なSiC市場におけるリーダーシップの強化を両立しようとしている。

SiC技術は、800V高電圧電動パワートレインにおいて高効率・高温耐性・小型化を実現し、EVの航続距離や充電速度を大幅に向上させる。すでにSTはグローバルSiC市場の32.6%を占めており、今回の中国展開は長期的成長戦略の一環となる。

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