新興市場で電気自動車販売急増:中国車が席巻する世界のEV革命

アジア、ラテンアメリカ、アフリカの新興市場で電気自動車の販売シェアが急拡大

2024年、アジア、ラテンアメリカ、アフリカの新興市場で電気自動車(EV)の販売が急増し、前年から60%以上の成長を見せました。これにより、これらの市場におけるEVの販売シェアは2.5%から4%に倍増しました。この急速な成長は、政策支援や中国のOEM(自動車メーカー)からの手頃な価格のEVの普及によって支えられています。

特にアジアでは、中国を除いた新興国でのEV販売が顕著で、2024年には約40%増の40万台近くが販売されました。インドでは販売台数が増加したものの、そのシェアはわずか2%にとどまり、成長は控えめでした。一方、タイでは、従来型車の販売が減少したにもかかわらず、EVのシェアは13%に増加しました。また、インドネシアやベトナムでは、EV販売が急増し、それぞれの国でシェアが急拡大しました。これらの国々では、ほとんどのEVがバッテリー電気自動車(BEV)であり、90%以上が完全電動車です。

ラテンアメリカでは、ブラジルが特に目立っており、2024年には125,000台以上のEVが販売され、シェアは6.5%に達しました。コスタリカ、ウルグアイ、コロンビアも大きな成果を上げ、各国で販売シェアが2桁増加しました。これらの成長は、政府のインセンティブ政策や、化石燃料の価格上昇、税の優遇措置が要因となっています。

アフリカでは、モロッコエジプトでEVの販売が急増し、2024年には販売台数が11,000台を超えましたが、販売シェアは依然として1%未満です。それでも、モロッコとエジプトでは、EU向けの輸出を促進するためのバッテリーおよびEV生産ラインの拡大が国内市場に良い影響を与えています。

新興市場におけるこれらの成長の背景には、中国製の手頃な価格のEVの普及が大きく影響しています。中国のEVメーカーが新たな市場に進出し、特にブラジル、タイ、インドネシア、マレーシアなどで販売を急増させています。中国からの輸入車は、これらの新興市場におけるEV販売の85%以上を占めています。

重要キーワード3つの解説

  1. 中国のEVメーカーの影響
    中国のOEM(BYD、GWMなど)は、手頃な価格のEVを新興市場に供給し、そのシェア拡大を牽引しています。特に、中国製のEVが新興市場での競争力を持ち、販売増加を後押ししています。
  2. 政府のインセンティブ政策
    ラテンアメリカやアジアの多くの国では、税制優遇措置や補助金がEVの普及を加速させています。例えば、ブラジルではEVの関税免除が販売増加を促しました。
  3. 新興市場の急成長
    インドネシア、タイ、ブラジル、コロンビアなど、新興市場でのEVの販売シェアが急増しています。これらの市場では、地域ごとの政策や価格の変動が、EVの普及に重要な役割を果たしています。
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