- ステランティスとファクトリアルが大型固体電池セルの性能検証に成功
- 375Wh/kgの高エネルギー密度と18分での急速充電を達成
- -30°C~45°C対応、4C放電で高出力にも対応
- 2026年に固体電池搭載のデモ車両を展開予定
- バッテリーパック設計・車両統合で航続距離・コスト効率も改善
375Wh/kgの高エネルギー密度と18分急速充電を実現、2026年にデモ車両投入へ
ステランティスN.V.とファクトリアル・エナジー(Factorial Energy)は、次世代電動車(EV)向け大型固体電池セルの検証に成功したと、2025年4月24日に発表しました。
この成果は、両社が開発するFEST®(Factorial Electrolyte System Technology)固体電池技術によるもので、375Wh/kgという高エネルギー密度と、15%から90%までわずか18分で急速充電できる性能を備えています。
さらに、固体電池ながら**-30℃~45℃**という広い動作温度範囲を達成。これにより、寒冷地から高温地域まで幅広い気候で安定したバッテリー性能を発揮できる設計となっています。
FEST®セルは77Ahクラスで、4C放電対応という高出力特性も実現。これにより、高性能EVへの応用が現実味を帯びてきました。
今回の実証により、600サイクル以上の耐久性も確認されており、商用レベルでの信頼性確保にも大きく前進しています。
■ 車両統合とパック最適化へも連携を拡大
ステランティスとファクトリアルは、セル開発だけでなく、バッテリーパック設計の最適化、車両統合、さらなる航続距離向上やコスト効率化にも取り組んでいます。
重量削減と効率向上により、より持続可能かつ手頃なEVソリューションを目指します。
ステランティスは2021年にファクトリアルに7500万ドル(約110億円)を出資しており、このパートナーシップの成果として、2026年には固体電池搭載デモ車両の投入を計画。
実環境下での性能検証を進め、次世代バッテリーの商用化に向けた重要な一歩を踏み出します。