- フォードがリチウムマンガンリッチ(LMR)電池技術を発表
- 安全性・高エネルギー密度・コスト削減を同時実現
- 2027年にLMR電池搭載の新型低価格EVを発売予定
- 初号モデルは電動版「フォード・レンジャー」の可能性
- 完全自社開発、固体電池開発も2030年代へ向け進行中
安全性・エネルギー密度・コストを同時に革新、2027年に新型EV投入へ
フォード・モーター・カンパニーは、電動化戦略を再構築する中で、リチウムマンガンリッチ(LMR)電池技術の開発を進めていることを明らかにしました。
この技術は、フォードのバッテリー研究開発拠点「Ion Park」で独自に開発されたもので、安全性、エネルギー密度、コスト削減の三拍子を実現する次世代電池として注目されています。
エレクトリファイド・プロパルションエンジニアリングディレクターのチャールズ・プーン氏は、LinkedIn上で、LMR電池が「ガソリン車並みの価格帯でのEV普及を目指す鍵となる」と投稿。
フォードは2027年に、LMR電池を搭載した新型低コストEVを投入する予定であり、初号機は「フォード・レンジャー」電動モデルになる可能性が高いと報じられています。
この新型EVは、ケンタッキー州ルイビル工場で生産予定で、現在同工場は大規模リツーリング(生産ライン改修)に入る計画です。
これまでフォードは、CATLやLG、SK Onなど外部パートナーとの連携でバッテリー供給を行ってきましたが、今回のLMR技術は完全自社開発と見られています。
フォードは、これに加えて固体電池スタートアップ「ソリッドパワー」への出資も行っており、固体電池技術は2030年代初頭の商用化を目指しています。
■ フォードの電動化戦略転換とバッテリー開発の動き
ここ数年、フォードは純粋なEVシフトから、ガソリン車・ハイブリッド・EVを組み合わせた多様戦略に転換しています。
しかし一方で、中国勢との競争を見据えた低コストEVプラットフォーム開発には巨額投資を継続中。
LMR電池技術は、こうしたコスト重視のEV戦略の中核を担う存在になる見込みです。