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EVの実力はどこで決まる?走行距離・充電時間・製造の環境性能から見る技術力評価

  • テスラは航続距離と充電速度でトップ評価、タタ・モーターズは省エネ性能で1位。
  • グリーンスチールやバッテリー再利用で環境への貢献度も測定。
  • 各メーカーのZEV移行に向けた技術的努力がスコアで可視化

EVに求められる5つの技術力とは?

ICCTはZEV(ゼロエミッション車)を推進するうえで欠かせない5つの技術指標を用いて、世界の主要自動車メーカー21社を評価しました。対象となる項目は次の通りです:

  1. エネルギー消費量(Wh/km)
    車両の重さを基準に補正した上で、1kmあたりの消費電力量を算出。もっとも効率の良かったのはタタ・モーターズ(110 Wh/km)で、最下位のマツダと比べて約67%も省エネ性能が高いという結果でした。
  2. 充電速度(kW)
    DC急速充電でどれだけ早く電池が充電できるかを評価。テスラ(176 kW)とヒョンデ・キア(138 kW)が2トップで、平均充電時間の短縮を実現しています。
  3. 航続距離(km)
    一回の充電でどこまで走れるか。最長はテスラ(537 km)で、次点のGMやホンダも500km超えのモデルで大きくスコアを上昇させました。
  4. グリーンスチール(低炭素鋼材)活用
    製造時のCO2排出削減のため、水素を使った製鉄や再生鋼の活用が進むなか、メルセデス・ベンツが最も優れた調達・契約体制を構築しておりスコア100を記録しました。
  5. バッテリーのリサイクル・再利用
    使用済み電池の再利用やリサイクル体制を評価。テスラやBYD、ステランティス、Geelyなどが各地域で実際に運用しており、高スコアを獲得しました。一方でスズキとマツダは取り組みなしという結果です。

これらの評価項目により、EVの性能だけでなく環境対応力や将来の持続性が明確になります。消費者にとっても、どのメーカーが本当に“クリーン”かを見極める参考指標となるでしょう。

重要キーワード

  • Wh/km(エネルギー消費量)
    1km走るのに何ワット時(Wh)の電力を使うかを示す単位。値が小さいほどエネルギー効率が良い。
  • グリーンスチール(Green Steel)
    再生可能エネルギーや水素を使って製造された鋼材。CO2排出が少なく、車の製造工程の脱炭素化に貢献。
  • バッテリー再利用・リサイクル
    役目を終えたEVバッテリーを再生利用する取り組み。原材料の採掘削減や環境負荷軽減に直結する。
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