- インフィニオンがドレスデン新工場「Smart Power Fab」への最終資金助成をドイツ政府から獲得
- 再生可能エネルギー、データセンター、電動モビリティ分野への半導体供給強化を目的に約50億ユーロを投資
- 工場建設は順調に進行中で、建物外殻がほぼ完成、2026年稼働予定
- 最大1,000人の高付加価値雇用を創出し、周辺エコシステムでさらに6倍の雇用効果が見込まれる
- 欧州チップ法とIPCEIプログラムから約10億ユーロの公的支援も確保し、「シリコン・ザクセン」の地位を強化
自社投資50億ユーロ規模、1,000人超の雇用創出と再エネ・データセンター・EV分野の需要に対応
インフィニオン・テクノロジーズAGは2025年5月8日、ドレスデンで建設中の新半導体工場「Smart Power Fab」に対し、ドイツ連邦経済省から最終的な資金助成の承認を受けたことを発表しました。投資総額は50億ユーロにのぼり、これは同社が自ら拠出する金額としては過去最大級のものです。
この新工場は、再生可能エネルギーの拡大、エネルギー効率の高いデータセンター、自動車の電動化といった分野で急増する半導体需要に応えるために建設されており、完成後は最大で1,000人の新規雇用を創出する見込みです。さらに、同工場を中心とする地域の産業生態系には、6倍規模の派生雇用効果があると専門家は予測しています。
Smart Power Fabは欧州の半導体供給網強化という観点からも極めて重要な存在であり、欧州委員会も2024年2月にこの助成を承認。欧州チップ法およびIPCEI(重要プロジェクト)プログラムに基づき、約10億ユーロの公的支援が付与されます。
建設は計画通り進行しており、2025年4月には上棟式も完了。2026年からの生産開始を予定しており、ドレスデンおよび「シリコン・ザクセン(Silicon Saxony)」地域の欧州最大半導体ハブとしての地位をさらに盤石なものとする見通しです。