- 2025年3月の中国の軽自動車販売は前年同月比10.5%増の240万台、月間販売ペースは年換算2,670万台に
- 政府の買い替え補助や現地イベント再開、OEMの販売奨励策が消費を刺激
- 生産台数は前年同月比12.1%増の290万台、うち自国系OEMは20.6%増と好調
- 一方で輸出は微減(-1.3%)も、第1四半期全体では5.8%増と堅調
- 関税問題で2025〜2028年の予測は下方修正されたが、中国ブランドは新興国市場でシェア拡大の可能性
春節明けに需要急回復、乗用車が主導し販売・生産ともに二桁成長を達成
2025年3月、中国の自動車市場(軽自動車=LV)は国内政策による消費刺激とOEM各社の積極的な販促策により、大きな成長を遂げました。販売台数は240万台に達し、前年同月比で10.5%増、前月比でも43.0%増と急伸しました。これは春節(旧正月)による一時的な販売減からの反動も影響しています。
乗用車(PV)が販売を主導し、3月には210万台を記録(前年比11.9%増)。一方、商用軽車両(LCV)も堅調に推移し、前年比2.0%増となりました。第1四半期全体では累計12.2%の販売増を達成しており、政府が進める古車買い替え補助政策が引き続き需要を下支えしています。
生産面でも、3月のLV生産台数は290万台に達し、前年比12.1%の成長。中でも乗用車は250万台と13.2%増加しました。中国の自国系OEMは200万台と前年から20.6%増加し、国内生産をけん引。一方で、合弁OEMは2.5%の減少に見舞われました。
輸出に関しては、3月は前年比1.3%の微減(47.1万台)となったものの、1〜3月の累計では5.8%増(127万台)を記録。特にLCV輸出は17.5%増と好調で、全体として輸出基調は堅調に推移しています。
なお、米国による対中関税政策が市場に不透明感を与えており、GlobalDataは2025〜2028年の販売予測を下方修正。2025年の成長率は4%未満、2026年にはマイナス成長(-3%程度)と見込まれています。ただし、中国の独立系自動車ブランドは米国市場に未進出であることから直接の影響は限定的とされ、むしろアジア・中東・アフリカなど他の海外市場での拡大が期待されています。