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Nexperia、自動車向け1200V SiC MOSFETを発表:業界最先端の熱安定性と効率性を実現

nexperia.com
  • Nexperiaが自動車認証(AEC-Q101)取得済の1200V SiC MOSFETを3モデル発表
  • RDS(on)は30、40、60mΩで、従来品に比べ熱安定性に優れ動作温度上昇時の損失を抑制
  • 温度175°CでもRDS(on)の増加はわずか38%と業界最小レベル
  • 表面実装型D2PAK-7パッケージで自動組立に適し、設計自由度とコストメリットを提供
  • EVのOBCやトラクションインバーター、HVACなど次世代車載システムに理想的

新型D2PAK-7パッケージ採用、EV向けオンボード充電器やインバーターに最適なAEC-Q101準拠品

オランダに本社を構える半導体メーカーNexperiaは2025年5月6日、自動車分野向けの最新SiC(シリコンカーバイド)MOSFET製品群を発表しました。新製品は1200V耐圧を持ち、RDS(on)(オン抵抗)値が30、40、60ミリオームの3モデル(NSF030120D7A0-Q、NSF040120D7A1-Q、NSF060120D7A0-Q)で構成されます。

これらはすでに産業用途向けに提供されていた製品をベースに、自動車向けの厳格なAEC-Q101認証を取得。EVのオンボード充電器(OBC)やトラクションインバーター、HVAC、DC-DCコンバーターといった用途に対応します。

パッケージには、近年人気の高い表面実装型「D2PAK-7」を採用し、スルーホール型に比べ自動実装工程に優れ、組立工数を削減します。特に注目すべきは、同製品が誇る熱安定性です。一般にSiC MOSFETは動作温度が上がるとRDS(on)が大きく上昇し、損失が増加しますが、Nexperia製品では25°Cから175°Cまでの温度範囲でRDS(on)の増加がわずか38%に抑えられています。

これにより、ユーザーは高出力を維持しながら冷却設計を緩和できるため、周辺部品の小型化や全体システムコストの低減が可能になります。「性能を犠牲にせずに設計の自由度とコスト効率を最大化できる製品です」と、WBG(ワイドバンドギャップ)事業を統括するエドアルド・メルリ氏は語っています。

Nexperiaは今後も、17mΩおよび80mΩのモデルについても自動車対応品の展開を予定しており、今後のEV開発においてより多様なニーズに応えるラインナップを構築する見込みです。

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