- 中国EVスタートアップの約400社が2018~2025年で消滅
- 補助金終了とBYD・Teslaによる価格競争が淘汰の要因
- HiPhiやBytonなど著名ブランドも破綻
- EU・米国の関税強化で海外展開にブレーキ
- 生き残るのはGeelyやBYDなど少数精鋭のグローバル企業
補助金終了と価格競争が淘汰を加速、残るのはBYDやGeelyなど資本と技術を持つ精鋭のみ
2018年時点で500社以上存在していた中国の新興EVスタートアップ。その多くは国の補助金や緩和されたライセンス制度を背景に急増しました。しかし、2025年までにその約400社が市場から撤退。そして2030年には、生き残る企業が50社未満になるとマッキンゼーは予測しています。
この「EV淘汰の時代」は、単なる崩壊ではなく、市場の成熟と再編を意味します。初期は試作車すら完成しないベンチャーも多く存在し、補助金狙いの投機的プロジェクトも少なくありませんでした。2020年以降、補助金の段階的廃止とBYDやTeslaによる価格競争が進む中、技術・資本・サプライチェーンに乏しい企業は次々と破綻しました。
代表的な撤退企業には、HiPhi(2024年倒産)、WM Motor、Byton、Singulato Motors、LeEco EV、Bordrin Motorsなどが含まれます。一方で、GeelyやBYD、Nio、Xpeng、Li Auto、Zeekrといった企業は、資金力・技術力・生産スピードを武器に成長を続けています。
また、国際展開にも課題が立ちはだかっています。欧州連合は最大45.3%の関税を導入し、米国も2025年にEV関税を大幅に引き上げました。その影響で多くの中国EVブランドが海外戦略を見直さざるを得なくなっています。
それでも中国EV業界の技術進化は著しく、バッテリー価格は1kWhあたり50~85ドルまで低下、急速充電は8~10分で完了、新車開発は18カ月以内と、欧州の半分のスピードで進んでいます。
2030年に向けて、生き残るのはわずかな“勝ち組”。Geely(ZeekrやLynk & Coを含む)、BYD(Denza含む)、Xpeng、Li Auto、Nio、Leapmotorなどは、グローバル市場でのリーダーとしての地位を固めつつあります。