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インフィニオン、EVと産業効率を加速する革新技術:SiCトレンチ型スーパージャンクションが新時代を切り拓く

  • インフィニオンが新たにSiCトレンチ型スーパージャンクション(TSJ)技術を発表
  • 1200V ID-PAKで最大800kWをサポート、高効率かつ小型化設計が可能
  • 最大40%のRDS(on)*A改善と25%の電流容量向上を実現
  • 冷却・並列化の負担を軽減し、システムコスト削減に貢献
  • ヒュンダイが先行導入、量産開始は2027年を予定

電動パワートレインの高効率化と小型化を実現──ID-PAK搭載1200V SiC新技術、ヒュンダイが先行導入へ


【記事本文】
2025年5月6日、ドイツ・ミュンヘン発――インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、SiC(シリコンカーバイド)パワーデバイスにおける新たな技術革新として、「トレンチ型スーパージャンクション(TSJ)」技術の導入を発表した。これにより、電気自動車(EV)や産業用途における電力効率と設計の柔軟性が飛躍的に向上する見込みだ。

新技術は、トレンチ構造とスーパージャンクションの組み合わせにより、最大40%のRDS(on)*A改善を実現。これにより電力密度が向上し、同一出力帯でもより小型なシステム設計が可能となる。さらに、冷却要件の低減、並列回路の削減、信頼性の向上といったシステム全体の効率化が期待される。

第1弾製品は、自動車のトラクションインバーター向けID-PAKパッケージ採用の1200V SiC素子として登場し、最大800kWの電力レベルをサポート。インフィニオンの25年以上にわたるSiCおよびCoolMOS™技術の蓄積が反映されている。

**自動車業界における主要顧客である現代自動車(Hyundai Motor Company)**が、TSJ技術の初期導入企業として開発に参加。EVパワートレインの高性能化・小型化に寄与することが期待されている。

この革新的技術は、2027年に量産開始予定。電動化の進展とカーボンニュートラル社会の実現に貢献する基盤技術として、今後の展開が注目される。

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