- HoneywellとVertical AerospaceがVX4 eVTOL量産に向けた提携を長期契約で拡大
- フライトコントロールと機体管理システムを共同で認証、安全性は商業航空機水準へ
- 新型インセプター採用で操縦性を向上、パイロットにとってより直感的な操作が可能に
- 契約総額は10年間で最大10億ドル(約1,500億円)規模の可能性
- 2028年認証、2030年までに150機納入を目指すFlightpath 2030計画も明言
安全性・操作性の革新技術でVX4を世界市場へ──1,000億円規模の契約ポテンシャルが示す次世代航空モビリティの本気
次世代空の移動手段として注目を集めるeVTOL(電動垂直離着陸機)の世界で、英国のVertical Aerospace(ヴァーティカル・エアロスペース)と米国のHoneywell(ホニウェル)がその連携をさらに深めている。2025年5月8日、両社は既存の協業関係を拡大する長期契約を発表し、量産型VX4の市場投入に向けた本格的な体制強化を明らかにした。
今回の契約では、VX4の**フライトコントロールシステム(電気式Fly-by-Wire)と航空機管理システム(Anthemフライトデッキ)**の共同認証を進め、世界最高水準の安全基準「10⁻⁹」(10億飛行時間に1度の致命的故障率)を達成することを目指す。この基準は商業航空機と同レベルで、競合他社より高い安全目標を掲げている。
また、操縦者の操作性を高める新型**インセプター(手動操作デバイス)**もVX4に採用される。業界最小・最軽量を誇るこのインセプターは、より直感的で精密な飛行制御を可能にし、パイロット支援と自動化を同時に実現するものだ。
両社は今後、技術人員や試験環境を共有しながら認証と量産に向けたプロセスを加速。ヴァーティカルは2028年までの型式認証取得、2030年までに150機の納入を掲げており、本契約は今後10年間で**最大10億ドル(約1,500億円)**規模の商業的価値を生む可能性があるとされる。
VX4はゼロ排出・4人乗りの電動機で、アメリカン航空や日本航空など世界各国の大手航空会社から1,500機以上の事前予約を受けている注目機体。Honeywellとの提携深化により、その実用化と世界市場展開が一気に加速する可能性が高まっている。